愛は家庭から

愛の聖女 マザー・テレサ

「愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、
わたしたちも互いに愛し合うべきです。・・神は愛です。」
(ヨハネの手紙一 4:11、16)

現代の聖女といわれたマザー・テレサ(1910年-1997年)は、
現在のマケドニアのスコピエで敬虔なカトリック教徒の家に生まれた。
すでに12歳の時には、将来インドで修道女として働きたいという
望みを持っていた。
やがてインドに赴いた彼女は、
1946年のある日、乗っていた列車の中で、
「すべてを捨て、最も貧しい人たちのために仕えなさい。」との神の御声を聞き
1948年、教皇ピオ12世の許可を得、
修道院を出て、カルカッタのスラム街へと移り住み、
インド女性の着る質素なサリーを身にまとい奉仕を始めた。
飢えた人々、
家のない人々、
病気の人々、
誰からも世話をされない人々
に分け隔てなく愛を注ぐ彼女の姿に、
多くの人々が感動し、協力者が与えられ、
やがて「神の愛の宣教者会」が設立され、
その奉仕は彼女が亡くなって14年が経過する今日も、
世界各国で続けられている。


ノーベル平和賞(1979年)

マザー・テレサは生前、多くの賞を受賞したが、
その中で、最も有名なものは、ノーベル平和賞であろう。
しかしテレサは授賞式の際にも、特別な正装はせず、
普段と同じサリーと皮製のサンダルという粗末な身なりで出席し、
賞金19万2000ドルはすべてカルカッタの貧しい人々のために使われることとなり、
授賞式の場においても、「わたしのための晩餐会は不要です。
その費用は、どうか貧しい人々のためにお使いください。」と要望した。
賞金を受け取った時、「このお金でいくつのパンが買えますか?」と聞き、
インタビューの中で、
「世界平和のために、わたしたちはどんなことをしたらいいですか」との質問に、
「家に帰って家族を愛してあげてください。」と答えた。
キリストのように愛に生きたテレサは
1997年9月5日、平安の内に天国へと凱旋した。
87歳の尊い生涯であった。