わたしはあなたを忘れない
忘れないでください
「女が自分の乳飲み子を忘れるであろうか。
母親が自分の産んだ子を憐れまないであろうか。
たとえ、女たちが忘れようとも、
わたしがあなたを忘れることは決してない。」
(聖書 イザヤ 49:15)
東日本大震災から、早くも100日以上が経過いたしました。
1000年に一度とも言われる、まさに想定外の大災害となりました。
死者・行方不明の方々が2万3千人を超え、いまだに何万人という方々が、
仮設住宅や体育館などできびしい生活に耐えておられます。
阪神大震災の時も、また今回も、
被災地の方々が語られるお話しの中で共通した言葉があります。
それは「災害発生時とそれからしばらくは、多くの方々がボランティアに来られ、
全国各地から激励のメッセージや義援金が届きました。
しかし私たちが一番心配しているのは、
時と共に忘れ去られるということです。
実際は、これからが本当の意味での支援が必要なのに・・・。」という言葉です。
Zachor (ザホール)
ユダヤ民族の教訓としての言葉の中に、
「過去を忘れず、現在を生き、未来を展望せよ。」
という有名な言葉があります。
ユダヤ民族の歴史は、まさに受難の歴史でもありました。
ことに、第二次世界大戦においては、
ナチス・ドイツ軍を率いるヒトラーによるユダヤ民族絶滅作戦の結果、
600万人にもおよぶユダヤ人が大虐殺されました。
人種差別から引き起こされた、この信じられない事実を全世界の人々が知り、
二度と同じ過ちを繰り返すことがないようにと、
ユダヤ人たちは全世界に「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)記念館」を建設し、
その記念館にはZachor (思い出してください・記憶してください)
という言葉が記されています。
日本にもホロコースト記念館
聖イエス会の黎明合唱団が、コンサートのため、
聖地イスラエルを訪問した1971年の4月4日、
小さな町ナタニヤのレストランで奇跡的な一つの出会いがありました。
そこでアンネ・フランクの父オットー・フランク氏と出会ったのです。
当時スイスに住んでおられたオットー氏と出会うということは、
今考えても神様の不思議な摂理の御計画であったと思わされます。
この出会いを通して、
「アンネのバラの教会」(西宮市)や
「ホロコースト記念館」(福山市)が建設されました。
現在、毎年、全国の学校の先生方が多くの子供達を連れて訪れる、
平和学習の大切な場所として注目されています。
ソフィア教会(世田谷区・用賀)には、
アンネの父オットー氏と出会った方々が数名おられ、
貴重な体験談を聞くことができます。
また、玄関脇の花壇には、オットー氏が送ってくださった
「アンネの形見のバラ」が、今年二度目の美しい花を咲かせています。